髙松コンストラクショングループで賃貸管理を主軸とする髙松エステート(大阪市)は、借り上げを強化し、管理戸数を3万5000戸超にまで伸ばした。小松晋治社長の下、売り上げと利益を安定して拡大してきた同社は、オーナーとの長期の関係性構築を重視する。継続的な事業成長のため、企業理念を策定し、人事制度の改革を進める。
売上252億円に拡大 営利10%に迫る
―売り上げ、利益共に安定して伸びています。
2023年度の売上高は前期比3.7%増の252億1000万円。営業利益は23億6000万円と同25.2%伸び、増収増益でした。営業利益率は9.3%です。事業構成比は、サブリースが68.4%と7割近くを占めています。工事が13%、一般管理と入居者募集が9.5%、不動産の販売が2.6%と続きます。商圏は1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)、関西圏(大阪、京都、兵庫)を中心としています。東京・大阪両本店制で、営業拠点12カ所を展開しています。従業員数は382人にまで増えました。管理戸数は3万5070戸(24年3月末時点)、オーナー数は約1800人です。管理物件の所在地は関西圏が60%、1都3県が33%、名古屋圏が7%です。
―社長になってから、どのように会社を成長させてきたのでしょうか。
私が社長に就任した16年6月から8年間、経営のかじ取りをしてきました。大阪だけで見ると、就任初年度の売り上げは約55億円でした。それから4年で売り上げ100億円、営業利益10億円を超えました。2社合算では15年度の94億4200万円から順調に右肩上がりで伸びてきました。売り上げが伸びたからといって、急に人を増やしたり、組織を変えたりといったことは一切していません。力を入れてきたことの一つは、借り上げの拡大です。髙松建設(同)で建築し、当社で管理する物件は、私が社長になる前まで7~8割が一般管理でした。それを借り上げに切り替えることで、16年4月末時点で18.8%だった借り上げの比率は、37.5%にまで高まりました。
―借り上げの比率が約2倍になったのですね。