北建設(大阪市)は、大阪市を中心に60棟6000戸の賃貸マンションを所有し、家賃収入は年間55億円に上る。建物は、購入した土地に新築で建てたものばかりだ。北靖久社長に、賃貸事業拡大の歩みと建築費高騰に対する今後の戦略を聞いた。
転勤者に照準定め物件開発
新築を企画・保有 準高価格帯を供給
北建設は、土地を購入し、賃貸マンションを企画して、建設会社に発注した新築物件を保有する。中古物件の取得は行っておらず、所有する60棟は、すべて自社で企画したRC造の新築物件だ。2024年9月期の売上高は60億円、経常利益は20億円。売上高の約92%が所有する賃貸マンションの賃料収入だ。
主に本社付近の大阪市東淀川区上新庄と、大阪メトロ御堂筋線沿線の新大阪、東三国、江坂などに賃貸マンションを所有する。100戸以上の大規模な物件が多く、その中には26階建て300戸の物件もある。築年数は、25年に竣工した新築から築40年の物件まで幅広い。
入居ターゲットは、大阪府北区や大阪メトロ御堂筋線沿線の物件においては企業の部課長クラスなどの高収入世帯、その他の地域では平均的な収入の世帯や学生としている。特に大阪メトロ御堂筋線新大阪駅やその近隣の駅周辺の物件を求める転勤者や単身赴任者が、主な入居ターゲットだ。同社はこの層に向けて、準高価格帯の物件を供給し続けてきた。