グローリア・ライフ・クリエイト、マスターリース強みに6700戸管理

【企業研究vol.292】グローリア・ライフ・クリエイト

インタビュー|2025年06月16日

グローリア・ライフ・クリエイト 東京都渋谷区 平野 雅也 社長

 東京都内を中心に6700戸を管理するグローリア・ライフ・クリエイト(東京都渋谷区)は、平均料率90%のマスターリース契約を中心に管理戸数を伸ばす。平野雅也社長は、管理物件の賃料査定を徹底することで物件利回りの最大化を提案し、売買仲介会社やオーナーの信頼を獲得することに注力。高稼働を維持しながら管理戸数を積み増す。

前年比700戸増 紹介受託に注力

―賃貸管理事業を主軸とされていますが、現在の管理戸数は。

 2025年3月期の管理戸数は6700戸で、そのうちの約7割がマスターリース、残りの3割が集金管理という割合です。前年より700戸ほど増やしました。

―増加要因は何ですか。

 売買仲介会社からの紹介による受託が、増加分の大半を占めます。紹介元の会社としては50社ほどありますが、紹介していただきやすくする取り組みとして、設定賃料の査定を当社で行い、オーナーが獲得し得る最大利回りを提示しています。

―具体的にはどのようなことをされていますか。

 仲介会社がマスターリース会社に案件を紹介する場合、稼働率を安定しやすくするために、仲介会社のほうで賃料を少し低めに設定するケースがあります。その設定賃料が適切かどうかを私がすべて査定しており、過去の成約状況や不動産会社への聞き込み、AI(人工知能)査定ツールなどを活用しながら、当該物件で設定可能な最大賃料を算出しています。仲介会社の設定賃料よりも当社の査定結果が上回る場合は、その賃料でのオーナーへの提案をお勧めしています。少しでも高い利回りが設定できれば仲介会社やオーナーにも喜んでいただけますし、仮に低い賃料のまま成約してしまうと、後に競合物件がそれより高い賃料を設定してきた際に簡単に値上げできないので、顧客との信頼関係が崩れてしまいます。

売上高と管理戸数の推移

―紹介元の開拓ではどのような取り組みをしていますか。

 専門部署による架電やインターネット広告のほか、4月には「GLC Magazine(マガジン)」という情報配信サイトも開設しました。賃貸経営に役立つ情報やエリアごとの平均賃料などを配信し、オーナーや不動産会社への認知度向上を図っています。

―25年3月期の年商は。

 42億円で、前期比4億4000万円の増収となりました。売上高のうち約37億円がマスターリースによるものです。

―借り上げ率はどの程度ですか。

 築年数や競合会社の料率を加味して物件ごとに設定していますが、平均すると90%程度です。紹介実績の多い仲介会社や2棟目、3棟目を任せていただくオーナーには、借り上げ率の優遇や管理手数料の無料期間を設けるなどして、より深い関係を築けるように努めています。大手企業ではこのようなカスタマイズは難しいと思いますので、当社の規模だからこそできる柔軟な対応で差別化につなげています。

高入居率を維持 好条件に反映

―1戸からのマスターリースにも対応していますね。

 もともと、グループ会社が開発する分譲マンションの区分から、マスターリースによる管理を開始しました。管理を預けていただくオーナーの中には会社員も一定数いるので、幅広い属性のオーナーに対応できるように今も継続しています。

―グループ会社では収益物件の開発もしているのでしょうか。

 木造アパートの企画・販売を行っています。1棟あたり6〜8戸の単身者向け物件で、東京都内に年間10棟ほど建築しています。累計で150棟ほど建てており、管理戸数のうち50戸がそれらの物件になります。

―区分マンションから管理事業をスタートしたということですが、御社の設立経緯や平野社長の経歴を教えてください。

 私は26歳ごろにエイブル(東京都港区)に入社し、来店接客を数年間担当した後に、エイブル保証(東京都千代田区)で管理受託の営業経験も積みました。建物管理にも関心があったため、当時求人を出していた当社グループ会社が建物管理も行っていたことから応募して縁をいただきました。その後、賃貸管理事業を始めるにあたって03年に設立されたのが当社です。最初は集金管理から始めましたが、管理物件の入居率が良かったことからマスターリースのほうが収益を上げられると考え、会社に提案しました。現在の入居率は99.8%で推移しています。

―高い入居率ですね。

 物件写真の充実や建物清掃など、当たり前のことをしっかり行っているだけですが、物件の印象を良い状態に保つためにできることを徹底することで、空室期間の短縮につなげています。またグループ会社に家賃債務保証会社もあり、入居審査と保証による滞納リスクの低減も図っています。これらの取り組みにより、最高91%の借り上げ料率の設定や、空室が発生した際に家賃収入を保証しない「免責期間」を設けない形での管理を実現しています。

―今後の取り組みは。

 これまで外注していたリフォーム事業を、自社で行いたいと考えています。入居率を維持するためのリフォームは重要な施策の一つであり、毎年一定の件数が発生します。自社で担うことでコストの削減につながり、条件の良いマスターリースやより良い商品開発に生かしていきたいと考えています。リフォームは社員からもやりたいという要望が強い事業でした。次の世代にとってリフォーム事業が売り上げの原資となるよう、準備を進めていきたいと思っています。

会社概要

社長プロフィール

1967年11月生まれ。大阪府出身。26歳で上京しエイブルに入社。仲介、物件仕入れなどの業務に従事し、2002年にグローリア(東京都渋谷区)に入社。07年に取締役部長、現在は専務取締役。グローリア・ライフ・クリエイトでは21年に社長に就任。

(2025年6月16日7面に掲載)

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