老朽ビルの建て替えにおいて求められる「正当事由」とは

【連載】新・法律エクスプレス 第58回

法律・制度改正|2025年08月29日

Q. 私が貸しているビルは、築60年を経過しており、建て替えの必要が出てきたので、借主に対して更新はしない旨(更新拒絶)の通知をしたいと考えています。「ビルが古く、耐震性がないため建て替えの必要がある」という事情は、裁判で更新拒絶の正当事由として認められますか。

補償なしで認められない傾向 賃料10カ月分で認めた事例も

A. ご存じのとおり、貸主からの更新拒絶には「正当事由」(借地借家法第28条)が必要になります。1995年の阪神・淡路大震災や2013年の東日本大震災以降、建物の安全確保の必要性が問題となり、国も耐震改修や建て替えを推進している流れを受けて、裁判所は耐震性の不足を「正当事由」として認める傾向にあります。

 ただし、「ビルが古く、耐震性がない」ことだけでは不十分で、「耐震補強工事に莫大な費用がかかり経済合理性がない(または物理的に回収が不可能である)ため建て替えの必要がある」という状況までないと、「正当事由」を認めない場合が多いです。さらに裁所は、「建て替えの必要があるため明け渡しの必要がある」という状況であっても、賃借人保護のため、賃借人の損失について補償提案(立ち退き料の支払い提案)がないと、「正当事由」を認めない傾向にあります。

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