拡大損害に対する原状回復費用請求

【連載】弁護士が解決!!身近な不動産トラブル 第52回

2019年04月08日

 賃貸物件の2階部分で漏水事故が発生し、真下の1階の部屋にも漏水してしまっているようです。しかし、その1階の入居者の方と連絡がとれず、被害の状況が確認できないでいます。

 1階の部屋の漏水を放置してしまうと、部屋の天井や壁の傷みがひろがってしまいます。もしも、このまま入居者と連絡がとれず、損害が拡大してしまった場合、拡大した損害分の原状回復費用については、入居者に請求できるでしょうか。

漏水等の事故発生時点で賃借人に報告義務 状況証拠把握の立ち入り調査認める約定設置

 賃貸人が、賃借人に請求できる原状回復費用は、賃借人が原状回復義務を負う、通常損耗を除いた、「賃借人の異常な方法による使用収益等の故意過失によって生じた汚損ないし破損部分(東京地裁平成7年3月16日判決)とされています。

 ご質問にあるような状況で、1階の部屋に漏水が生じた場合、漏水事故との関係では、1階の部屋の入居者は一次的には被害者であり、漏水事故によって生じる天井や壁の傷みについて、ただちに原状回復義務を負うものとは評価できません。

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