営業車両に防災セット
約2万3000戸の賃貸管理を手がけるジェイエーアメニティーハウス(神奈川県平塚市)は、入居者と地域住民を対象とした「まいにち備災プロジェクト」を3月31日から開始。非常時の備えと啓蒙(けいもう)活動に力を入れる。
この取り組みは「配る備災(共助)」と「渡す備災(自助)」の2段階で構成されている。
共助では、店舗や営業車両約160台に「(共助用)まいにち備災セット」を備蓄する。被災時は営業車両を「移動する防災拠点」として機能させ、現場の判断で入居者や近隣住民へセットを配布する。車両や店舗には、能登半島地震の体験談に基づき制作された、子どもの笑顔をモチーフにした専用ステッカーを掲示。地域住民に対し、同社の備蓄と防災体制を可視化することで、社会的信頼性とブランド価値の向上を図る。同セットの内容は、使い捨て防塵マスクや滑り止め付き手袋、非常時用トイレなど5品目だ。
ステッカーが貼られた営業車
自助では、賃貸借契約時などに入居者に向けて「(自助用)オリジナルまいにち備災セットBox」の紹介と販売を実施し、鍵交換時に設置する。購入すると、入居者自身で断水時のトイレ問題などに対して初期対応が可能となる。これにより入居者の負担軽減と、社員の緊急出動回数や対応コストの低減ができる見込みだ。
同セットは共助用の品目に加えて、歯ブラシセットや就寝時に使用可能なエアーマットなど13品目で構成。A4サイズの箱に収められており、玄関先や本棚などに置きやすい形状だ。
販売価格は、共助用セットは10セットあたり1万8400円。自助用セットは7800円(いずれも税別)だ。既存の入居者らに向けてチラシでの告知に加え、5月から稼働する自社ECサイトでの販売も開始。同サイトでは備災セットのほか、米や家電などの生活必需品を取り扱う。
簡易衛生用品など13品目がセットとなっている
賃貸工務部の古谷亨部長は「災害への備えには、きっかけの提供が重要だと考えている。また、社内で特別なリソースを割くのではなく、日常業務の延長線上で着実に実行できる仕組みにこだわった」と話す。
本取り組みは、同社が加盟している共済事業を手がけるKENT共済協同組合でも導入が決定。連携基盤を生かし神奈川県内の各地域で「共助」と「自助」を啓蒙する広域的な取り組みへと発展させていく予定だ。
まいにち備災プロジェクトの企画は、共済の設計を手がけるアート企畫社が手がけた。
(2026年6月1日3面に掲載)





