民法改正成立 契約書の改訂が必要不可欠

法律・制度|2017年06月05日

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個人保証の極度額の明記が義務化

企業や消費者の契約に関する改正民法が5月26日に成立した。賃貸契約に関する内容で変わったのは、個人保証の極度額を明記すること、敷金の返還義務が定義づけされること、エアコンなど室内設備等の故障時に家賃減額をすることだ。そのため、2020年がめどとされる施行前に管理会社は契約書の改訂が必要になる。

約120年ぶりに、消費者契約に関するルールを定める債権部分が改正された。改正は約200項目に及び、公布から3年以内に施行する予定だ。

賃貸借契約に関わる内容は以下の3つ。
一つ目は、敷金の返還義務が定義付けられ、原状回復ガイドラインが法律に明文化される。賃借人に負担を課す場合、特約の締結が必要になる。すでに大手管理会社では敷金を不要とし部屋の広さに応じたクリーニング費用を請求する特約を設け、需要事項説明を徹底するなど対応を取っている。
二つ目は、賃貸借契約の連帯保証人を個人が引き受ける場合、保証の極度額を定めなければいけなくなることだ。契約書に限度額が記載されることで個人保証が敬遠され、家賃債務保証会社の利用が増えると見込まれている。
三つ目は、エアコンや水回りなどの居室設備等が損失し使用できなくなった場合、入居者が賃料減額請求をしなくても、当然賃料が減額されるということ。

この3つには強行規定と任意規定がある。その内容と反する契約に合意をしても無効となる強行規定なのは、保証の極度額を定めること。当事者間で異なる内容の契約が認められる任意規定は、敷金の返済義務と家賃の減額だ。

ことぶき法律事務所(東京都新宿区)の亀井英樹弁護士は、「敷金ルールの明文化は、すでに多くの管理会社が契約書に盛り込み対策している。意外に盲点なのが、一部滅失などにより使用収益ができなくなれば、賃料減額請求をしなくても、当然に賃料が減額されることになる点だ」と指摘する。

現状の賃貸借契約の標準契約書にもまだ盛り込まれていない要項だけに、施行前の対策を講じなければいけない。消費者契約法に沿った条項を契約書に設けることで、トラブルを回避する必要があるだろう。例えば、備え付けのエアコンやトイレが故障して使えなくなった場合に、家賃の減額割合や、故障してから報告するまでの条件などを設けていくべきだ。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)では、民法改正に対応した賃貸借契約書案を作っている。

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