投資用シェアハウス被害者の会始動
1月分のサブリース家賃不払いが発生したスマートデイズ(東京都中央区)のオーナーらが被害者の会を設立し、集団訴訟に向けて動き出している。スマートデイズ案件の主要融資先であるスルガ銀行(静岡県沼津市)に対しても、過剰融資を焦点に責任追及を行っていく構えだ。
金融機関の責任も追及
『スマートデイズ被害者の会(以下、被害者の会)』は2日、都内で会合を開催し、同社でサブリース契約を結んだオーナー約100人が参加した。
被害者の会は、スマートデイズがサブリース家賃の支払いができない旨の発表を行った直後の1月25日に1回目の会合を実施し、会の方向性について話しあったという。サブリース家賃不払いが確定した2月2日の2回目の会合では、被害者の会として組織化して問題に取り組んでいくことを参加者に伝えた。
以前からサブリーストラブルの相談を受けてきた、同会の監修を務めるNPO法人日本住宅性能検査協会(東京都中央区)の大谷昭二理事長は「金融機関の過剰融資の実態があったのは明らかで、スルガ銀行の責任も追及していく」と話した。弁護団の結成もすでに決まっている。
これまでスルガ銀行の支店ではスマートライフ(スマートデイズの前社名)と販売会社の共同主催によるセミナーを開催してきた。「銀行の支店でセミナーがあり、融資を受けるのもその銀行だったら提携ローンだと信頼してしまう」という購入オーナーの声もある。被害者の会では、販売会社と金融機関の共謀があったのではないかとみている。
スマートデイズは主に販売会社を介して営業を行い、投資家に土地と案件を紹介。金融機関はスマートデイズのサブリース収支計画を基に融資する。銀行から融資を受けやすくするために、販売会社が通帳の改ざんや資産背景についての詐称をそそのかす実態があったようだ。同会の参加者のうち、販売会社から、資産内容の改ざんを示唆されたオーナーは8割にも上るという。「販売会社と銀行の結託があった証拠をなるべく多くのオーナーから集め、銀行に対する訴訟も視野に入れる」(大谷理事長)。現在の会員数は80人ほどで、2月中旬をめどにホームページを立ち上げ会員数を増やしていく予定だ。