注目の建築プラン紹介~前編~ ベッド下に収納やテレワークスペースを確保

Best Stage(ベストステージ), フジ住宅, 元日マテール

企業|2021年06月29日

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中世ヨーロッパの宮殿をイメージした外観

 賃貸住宅では入居者のニーズにあったデザインや設備を採用し、高い入居率を維持することが重要だ。コロナ下でライフスタイルが変化している中、安定した収益の確保を目指す建築会社の各種プランを紹介する。

Best Stage、中世ヨーロッパをイメージ

敷地を最大限活用した木造3階建て

 埼玉県を中心に収益不動産の建築・販売を手掛けるBest Stage(ベストステージ:埼玉県富士見市)が得意とするのは、木造3階建ての賃貸アパートだ。

 自社で設計から施工まで手掛け、敷地面積を最大限に活用する物件を企画している。特に力を入れているのは、中世ヨーロッパの宮殿をイメージした外観の『Camellia(カメリア)』シリーズだ。白を基調にモールディングと吹き付け塗装により意匠性を持たせた。エントランスにはオートロックや防犯カメラ、センサーライトを標準採用し、各戸にはモニターフォンを設置する。室内照明のタイマースイッチ、窓ガラスに複層ガラスの採用、1階の窓には電動シャッターを装備するなど防犯性も高い。

 『Cabin(キャビン)』と呼ばれる25㎡の1Rタイプでは、腰高位の位置にセミダブルサイズのベッドスペースを設け、その下のスペースを収納として活用可能。ロフトやクローゼット以外の収納スペースで、限られた空間を有効活用している。

キャビンの写真

セミダブルサイズのベッド下に収納スペースを設けた『キャビン』

 キッチンは対面式でカウンターを設置。USBコンセントを設けて、食事だけでなくテレワークスペースとして使用しやすいように設計している。エントランスや共用部には、天然石やレンガの柄をあしらったスタンプコンクリートを採用しデザイン性を持たせ、外観と調和を図っている。

 

フジ住宅、全戸角部屋で稼働率97%

遮音性に優れた5層構造

 大阪府を中心に和歌山市、阪神間を営業エリアとする総合住宅建築会社のフジ住宅(大阪府岸和田市)では、土地有効活用事業として単身向けアパート『フジパレス』とサービス付き高齢者向け住宅『フジパレスシニア』を展開している。地主が所有する土地の活用だけでなく、土地から仕入れて開発した一棟販売も手掛けている。

フジパレスの外観写真

5月に完成した『フジパレス』。場所は大阪市で、1Kと1LDKの全9戸。

 『フジパレス』は木造3階建てのアパートで、9戸、12戸、15戸が基本的な規格だ。単身向けで1K~1LDK、全て角部屋で、共有廊下がないため専有部を広く確保できる設計になっている。遮音性にこだわり、吸音材『ロックウール』を壁や床に内蔵。床の厚さは60mmで、クッション付き防音フロアや硬質石こうボードなどを使用した5層構造になっている。

フジパレスの内装写真

『フジパレス』の内装

 建築した賃貸住宅は、子会社のフジ・アメニティサービス(同)が一括借り上げで管理・運営を担う。フジ・アメニティサービスには入居者募集の専属スタッフが在籍し、1日20~30店舗の他社仲介店舗を巡回。管理物件の入居募集活動を行う。2020年度の稼働率は97%を維持している。建築検討段階からフジ・アメニティサービスと連携を取り、綿密な市場調査を実施。安定した賃貸経営が将来的に見込めるか分析する。実際に地主から土地活用の相談を受けたうち、3割は賃貸需要が低いと判断し、建築を断っているという。

 『フジパレスシニア』は20年11月時点で、197棟6292戸を運営している。うち25棟は自社保有。1棟につき30~50戸の規模だ。家主から一括で借り上げ、直接入居者に賃貸する運営形態を取っている。自社グループで入居者を募集・管理し、地域の病院や社会福祉法人、介護会社など100社以上のパートナー企業と連携。事業者は介護サービスの提供に専念することができる。

 土地活用事業部における20年度の総契約数のうち、49%がリピート案件だった。フジ住宅は新規顧客の開拓において飛び込み営業を行っておらず、税理士や金融機関、既存の施主家主からの紹介で建築受注や販売を行っている。

 

元日マテール、RC外断熱『ガンバリ工法』

狭小地でも建築可能

 元日マテール(神奈川県藤沢市)が2014年から提供する鉄筋コンクリート外断熱『ガンバリ工法』は、都市部の住宅建築に適した工法だ。21年5月末時点で60棟の物件に採用している。

壁面の写真

写真左側壁面に『ガンバリ工法』を採用

 自社で開発したアルミ化粧板と断熱材が一体となった『ガンバリボード』を外型枠、高強度のFRP型枠『G(ジー)パネル』を内型枠として使用する。足場を使わず室内側から施工するため、狭小地で隣地との間隔がない場合でも建築が可能。資材が軽量なため、クレーン車でつるなど危険な作業も不要だ。断熱材で包まれたコンクリート躯体(くたい)は断熱効果が高く冷暖房の使用頻度の減少に貢献でき、省エネ住宅としても注目を集めている。外部はアルミ化粧板を用いているため、メンテナンス性も高く点検や修繕コストを抑えられる。

隣地との境の写真

隣地との境界ギリギリまで施工可能

 『ガンバリ工法』を自社の施工物件に6棟採用している神奈川県横浜市にある建築コンサルティング会社では、断熱性の高さが導入の決め手となったという。導入した6棟の物件はほぼ狭小地で、隣地との間隔は最も狭いところで20cm程度。隣地へ入ることなく施工できるため、建築時に周囲の住宅との折衝も緩和される。メンテナンス性の高さは長期的なランニングコストを削減でき、物件を所有するオーナーにとってもメリットとなる。賃貸住宅との相性が良い工法として、普及を見込んでいる。

(6月28日10面に掲載)

関連記事▶【注目の建築プラン紹介[前編][後編]】


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