テレビ視聴のための共同設備の施工などを行う協栄メンテナンスシステム(東京都品川区)は2011年7月より、共同住宅共用部のテレビ視聴のための共同設備の定額保守サービスを提供している。23年6月末時点の契約戸数は、分譲マンションを中心に30万戸以上だ。
故障時は無償で機器交換
アンテナや増幅器、分配器といったテレビ視聴のための共用部設備の不具合相談対応や修理・交換を行う。受付窓口は24時間365日稼働しており、故障時は当日中に駆け付けて修理・交換対応を無償で実施する。台風や雷などの災害による故障も対象となる。
対応エリアは東京都、大阪府、愛知県、広島県を中心とした都市圏。月額料金は、関東地域は1戸あたり110円、そのほかの地域は1戸あたり165円(いずれも税込み)。契約物件の戸数制限はない。
オーナーや管理会社にとってのメリットは大きく分けて二つある。一つ目は機器の故障時に発生する修理・交換費用を固定費化することができる点だ。アンテナや増幅器、分配器の新品の価格はいずれも10万~15万円ほど。増幅器は5戸に一つの設置が必要なので、物件全体での交換費用は高額になる。これを1戸月額110円の固定費にすることで、収支を安定させることができる。
二つ目は、機器の故障時に修理・交換事業者を手配する手間と時間を削減できる点だ。同社では19年9月に千葉県を直撃した台風の際には、保守契約を結ぶ約1万2000戸分の機器を視聴障害発生の入電後24時間以内に復旧させた。素早い復旧対応で入居者満足度の向上も見込める。
今後は対応エリアを広げながら契約戸数を伸ばす方針だ。24年3月までには福岡県にも事業所を開設する。現在は契約の9割が分譲マンションだが、賃貸住宅へのサービス提供を見据え、管理会社を通じて賃貸住宅オーナーへの提案も始めている。
(2023年7月24日9面に掲載)