レトロなリノベで2巡目も1カ月以内に成約
2016年06月14日 | リノベーション
タイルやレンガ調クロスで傷をカバー
高山不動産(石川県金沢市)の企画したレトロ調の改修で、約8年間空室だった物件に入居が決まった。
築39年のマンション『第5赤坂コーポ』は、JR「金沢」駅から北鉄バスで約20分、4階建てRC造で全16戸だ。
改修した8戸は賃料を1万2000円上げて5万2000円になった(共益費2000円別)。
BEFORE
改修前は賃料4万円で、相場より2万円ほど安かったにもかかわらず入居が決まらなかった。
高山修一社長は「長年放置され、間取りも市場のニーズと合っていなかった。原状回復だけでは決まらないと判断した」と改修の経緯について語る。
1戸目をリノベーションしたのは20110年。
当時、周辺エリアで空きが多かったのは築20年以上で2DKや3DKの間取りだった。
新婚やファミリーを中心に1LDKのニーズが高まっていたため、改修を決めた。
以前は、玄関を入ってすぐのところにダイニングキッチンがある2DKだった。
子育て世帯に合わせて、家族だんらんの場として、日差しの入る窓側にリビングダイニングキッチンを設置した。
AFTER
デザインは、レトロ調にして、壁や床にベージュやグレーなどを使い、落ち着いたトーンに変え、白を基調とした新築物件のシンプルなデザインとの差別化を図った。
また、古さを味として捉えられる素材を採用。
多少の傷がついても、顧客には古いなりの良さだと伝えれば、納得してもらいやすいと考えたからだ。
玄関を入って正面の壁面には、レンガ調のデザインクロス、キッチンの壁面には黒と白のタイルを交互に張った。
改修費は1戸当たり約200万円。
退去した際の原状回復費は10万円以下に抑えられており、オーナーの負担軽減につながっている。
これまでに入居したのは教員や会社員だが、リノベーションした物件全体では、ファミリー層が半数を占める。
2巡目、3巡目の入居につながっており、落ち着いたデザインが人気だ。