賃借人が部屋の修繕の立ち入りに協力しなかった場合、契約を解除できるか

【連載】新・法律エクスプレス 第43回

法律・制度改正|2024年05月29日

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 私が経営しているアパートの部屋の天井から漏水している可能性があるため、賃借人に室内への立ち入り調査を頼みましたが、協力してくれず、修繕ができずにいます。このような賃借人と契約を解除することができるのでしょうか。

修繕調査、拒否で契約解除可能

 賃借人が賃貸借契約によって負う義務に反した場合、債務不履行に基づく賃貸借契約の解除の可否を検討します。(民法541条)

 まず、賃借人は部屋の修繕のための調査に協力する義務を負うのでしょうか。民法606条2項は、「賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない」とし、賃借人の修繕の実施を受忍する義務を規定しているうえに、東京地裁平成28年2月9日の判例では、「建物の内部において現況を調査することは、(中略)『賃貸物の保存に必要な行為』に該当し、(中略)これを拒むことはできない」として、修繕のための調査協力も受忍義務の範囲に含まれるとしました。

 本件の調査に現況確認の必要性が認められれば「賃貸物の保存に必要な行為」にあたり、賃借人が調査を拒むことはできません。

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