フランチャイズチェーン(FC)が果たす役割が大きく変わる中、その覇権争いよりも「どの基幹システムか」が重要となっているという潮流をレポートする。
地方は直営敬遠 加盟店募り成功
前回(1月27日号)で述べたように、不動産業界は、自動車販売店のFCのように、そもそもの供給元がFC本部であり、強いガバナンスを持っているという形態とは異なる。
不動産事業者は、そもそもが、宅地建物取引士免許を持つ「プロ」であり、FCはプロモーションとブランドを担うことが主となっている。
私が不動産会社を始めたとして、単なる「上野典行不動産」で看板を掲げても、信頼もなにもないが、例えば「センチュリー21 上野不動産」となれば、「ちゃんとした会社だな」と認知されるという期待感である。
アメリカ、ニュージャージー州でスタートした「センチュリー21」は、まさに「プロモーション」という点で世界制覇をした。アメリカでは、弁護士や会計士のように不動産事業を営むプロは、個人事業主というケースが多い。
国土は広く、△△州の××市の売買賃貸となるとその地に精通した個人事業主に紹介してもらうという商慣習は普通であった。
1971年に誕生したセンチュリー21は、現在79の国と地域に約1万1000店舗、約13万人の営業スタッフを擁する世界最大級の不動産流通ネットワークである。