不動産会社にとって、フランチャイズチェーン(FC)が果たす役割は大きく変わった。今後、どうなっていくのかをレポートしていく。
ブランド力アップ 事業成長に有効
1851年、前年アメリカで創業したミシン製造会社のSinger(シンガー:アメリカ、テネシー州)が、広大なアメリカ大陸でのミシン販売に際し、販売地域を指定した各地の販売代理店に同社の「シンガーミシン」の販売権を付与し、その販売割合に対して対価を徴収する、というフランチャイズチェーン(FC)ビジネスモデルを確立した。
FCはもともと、製造特許を持つスタートアップ企業が販売にかけるコストをかけずにエリア展開したために開発する手法であった。加盟者はFCに加わることで、これまで得てきた知見に加えて、ブランド力のアップや仕入れコストの低減、ノウハウの蓄積・活用を図ることができるのがメリットである。すでに事業を行っていて、思うように売り上げが伸びなかったり、さらなる成長を目指したいと考えたりするときに有効であった。