管理会社のカギ管理、各社はどうしている?
統計データ|2023年02月28日
2月中旬、女子大生が入居する熊本市内の賃貸アパートに、同物件の管理会社の社員が侵入する事件が起こりました。管理会社は、物件のスペアキーを収納庫で保管していましたが、当該社員の無許可での持ち出しにより事件へと発展しました。
こうした、カギに関する問題が起こるたびに、管理会社が物件のカギを管理することのリスクが話題になります。では、管理会社の業務から、カギ管理を解放するには、どういった手法があるのでしょうか。アンケート結果から解説します。
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社内管理が7割 管理会社のリスク露呈
当紙では、管理会社のカギ管理に関するアンケートを2023年2月に実施。総数98件の回答がありました。
現在、カギをどのように管理していますか。という質問について「社内管理」が71%と、圧倒的な数字となりました。「入居者へ渡す」「オーナーへ返す」「スマートロックを導入する」という回答も見られましたが、いずれも数件程度に留まっています。今回の事件のようなリスクはあるものの、社内でのカギ管理がまだまだ一般的なようです。
続いて、カギを保有していて、最もリスクに感じる事は何か。という質問については、回答がばらけました。「鍵保管庫の運営」が35%、「入居者対応」が25%、「社員の鍵紛失」が21%、「社員の不届き」が11%、「その他」が6%となりました。カギ保管庫の運営については、社員がカギを持ち出す際は上長の了承が必要となる場合や、役員以上でないと単独ではカギ庫へ入れない。など、会社ごとのルールがあり、これらの運営にコストやリスクを感じる管理会社が多いようです。
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注目されるスマートロック
次に、カギを持たない手段として考えていることは何か。という設問については、「スマートロックの導入」が48%。「入居者へ渡す」が39%。「オーナーへ返す」が12%という結果でした。スマートフォンやカードキーで部屋の施解錠ができるスマートロックに注目が集まっています。
こうした結果から、社内でカギ管理するリスクは感じているものの、なかなか行動に移しきれていない現状が浮かび上がります。確かに、管理戸数が1000戸を超える管理会社となると、物件ごとのカギの形状もバラバラですし、オーナーの意向にも違いがあります。管理会社の一存でカギ管理業務から解放できるほど、簡単な話ではないでしょう。ただ、今回の様な事件が起きてしまうと、会社の信用問題にも発展します。これを機に、カギ管理の業務について、社内で見直してみてもよいでしょう。
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