ここでは、この設備がなければ入居が決まらない「必須設備」のランキングを単身者向け、ファミリー向けに分けて発表する。
エアコン(単身者・ファミリー1位)
1週間で成約
単身者向け、ファミリー向けの必須設備で、圧倒的な得票差で1位を獲得したのは「エアコン」だ。
約2万3000戸を管理するビッグ(北海道札幌市)の不動産管理部井上俊宏部長は「2023年の夏は特に暑かった。そのため、エアコンの需要が大幅に増加した」と話す。
エアコンは「必須」の認識度合いに地域差が出た(提供:ビッグ)
肌感覚ではあるものの、同社が商圏とする北海道では、賃貸住宅のおおよそ半分程度しかエアコンの導入が進んでいないという。そのため競合物件と差別化できる設備にもなる。従来は、空室期間が長期化した際には無料インターネットの導入を提案することが多かったが、23年は空室対策としてまずはエアコンを提案したという。実際に、単身者向けの物件で半年以上の長期空室となっていた物件が、エアコンの設置後1週間で成約した事例も挙がっている。
三協(京都市)は、管理する約500戸のうち、単身者向けの全物件でエアコンを設置。部屋探しをする顧客も「あって当たり前」の設備として認識しており、希望条件に提示することもないほどだという。京都市は猛暑になる地域性もあり、エアコンなしでは選ばれないようだ。
空室になったタイミングで、10年が経過したエアコンは、オーナーに取り替えを提案することもある。エアコンの製造年月日や性能を確認する内見者は多く、エアコンが古い場合は入居前に取り替えてもらえるのか、問い合わせが入ることもある。