サブリース契約におけるオーナーの責任について

【連載】弁護士が解決!!身近な不動産トラブル 第84回

賃貸経営|2021年12月19日

 当社は、マンションのオーナーとしてサブリース契約によりマンション全体を転貸目的で賃貸しています。ある部屋において、経年劣化による漏水が発生し、入居者の家財が壊れるという損害が生じました。入居者は、オーナーである当社に対し、直接、損害の賠償を請求したいといってきています。本件のような場合において、オーナーが入居者に対し、直接損害賠償責任を負うことはあるのでしょうか。

入居者に対するオーナーの賠償責任は工作物責任の有無で判断

 賃貸借契約において、賃貸人は、賃借人に対し、賃貸目的物を使用収益可能な状態で提供する義務を負っており(民法601条)、この使用収益義務に違反した場合には、賃貸人は、賃借人に対し、債務不履行に基づく損害賠償責任を負う可能性があります(民法415条1項)

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